どんなお酒？

✔️ 作られ方

「フロム・ザ・バレル」は，熟成を経たモルト原酒とグレーン原酒をブレンドした後， 再び樽詰めし数ヶ月ほど再貯蔵して作られます．

この再貯蔵は「マリッジ(結婚)」と呼ばれ，まさにこの間， 個性の違うウイスキーは結婚したかのように深く馴染み合い，調和の取れた美味しさが生まれるそうです．

ただ「マリッジ」とはつまりブレンドのことなので別に珍しいことでもなんでもありません．

日本のウイスキーの多くはブレンド，つまり「マリッジ」されたウイスキーです．

ただし，通常は割り水によってアルコール度数40~45%程度に調整されるウイスキーですが， 「強くて濃い」ことを目指したこのウイスキーでは，より樽で作られたままに近く，最もコクがでる加水量に抑えられています．

アルコール度数は51%という高さになりますが，重厚な味わいと豊かな香りを感じられるウイスキーとなっています．

✔️ 秀逸なボトルデザイン

「フロム・ザ・バレル」を特徴付ける要因として，1985年に発売開始後から変わらない個性的な四角いボトルデザインが挙げられます．

このボトルをデザインした佐藤 卓氏は，「強くて濃い」ことを表現するために，ウイスキーの「小さな塊」としてデザインされたそうです．

実際このボトルを目にした時，ウイスキー自体の色の濃さも相まって，他にはない，とても惹かれる見た目でした．

✔️ 世間の評価

1985年から販売されている「フロム・ザ・バレル」ですが，近年世界的にもとても高い評価を受けています．

特にWWAでは17年物や21年物を押さえての選出ということで，そのレベルの高さが伺えます．

品薄状態が続いており店頭で見かけることはほとんどなく，楽天やamazonといった通販サイトでも「お一人様1品限り」という表記が見られることからも人気の高さが伺えます．

感想

✔️ 全体(ストレート)

まず最初に飲んだ時の感想ですが，前述の通りとても「強くて濃い」ウイスキーです． 名前の通り樽の匂いを強く感じます．

しかし，一番驚いたのはそれだけ強い味わいにも関わらず，尖ったところは感じられず，とても飲みやすいところです．

一般的なウイスキーのアルコール度数が40%ちょっとに対し，このお酒は51%という高さです．

後味を含めかなりキツい部類のお酒を想像していたのですが，飲みやすさを実現しつつ， ボトルのコンセプトと同様に，口に入れた瞬間の「旨さ」が塊となって最後まで続いていく印象があります．

ちなみに，とても素敵なボトルデザインですが１つ注意点があります．．．注ぎ口が短いせいかとても注ぎにくいです．気になる方はポアラーなどを使うことをお勧めします．

✔️ ロック

次にロックでの感想です．

当然，氷を入れることによってストレートに比べると一口飲んだ瞬間の強さは若干弱まりますが， そもそもが強い味を持っているウイスキーなのでバランスがより良くなる印象を受けました．

ロックは徐々に氷が溶けていくことによる味の変化が楽しい飲み方ですが，一方で最後は薄くなりすぎてしまう懸念があります．

しかし，このウイスキーだと最後までしっかりとした余韻を感じながら頂くことができました．

✔️ ハイボール

最後にハイボールでの感想です．

ロックと同様，ウイスキー自体の味わいのおかげで炭酸の味に負けず，最後まで余韻を楽しむことができます．

もしウイスキーが苦手，というご友人がいらっしゃる方には，このウイスキーで作ったハイボールを一度飲んでいただきたいです．

ウイスキーならではの美味しい部分を，より飲みやすい状態で味わっていただけると思います．

ただし，ハイボールの定番といえばレモン果汁を加えることが多いと思いますが，このウイスキーには味の邪魔をしてしまう印象を受けました．

炭酸水と氷，この２つだけで十分だと思います．

お酒のお供

前述の通り，ウイスキーそのものの味がしっかりしています．

ご飯の最中に楽しむ，というよりは食後の時間にゆったりと楽しむのが良いお酒です．

なので，おつまみには以下のようなものが合うと思います．

余談

余談ですが，ウイスキー好きの私の父にも1本プレゼントしたところ，「お前はなんてヤバイものを送ってきたんだ」と怒られました．

どうやら止まらなくなるくらい美味しかったそうで，，，それ以来，いつ実家に帰ってもこのウイスキーがおいてあるようになりました．

大変気に入ってもらえたようで安心しました(笑)

ただもういい年なので，体を悪くしないか心配なところです．．．

最後に

今回初めてお酒のレビューを書くにあたり，私が特にお気に入りの一本をご紹介させていただきました．

アルコール度数が高いというところは注意ですが，ザ・ジャパニーズウイスキーを楽しめるしっかりした味と飲みやすさを合わせ持つお酒です．

ウイスキー好きの方，これから興味がある方，色々な方に味わっていただきたい一本です．

以上が「フロム・ザ・バレル」のご紹介となります． 少しでもこのお酒が多くの方の目に止まると嬉しいです．

それでは皆さん本日も，乾杯！